KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- KUのロイヤリティは、対象となる既読KENPと月ごとの配分で決まります。
- ダッシュボードの推定額、月別の確定額、実際の入金は分けて確認します。
- 既読ページ数だけでは、読者数や本当の読了率を確定できません。
- KENPを確認読まれた規格化ページ数
- 見込みを把握推定値は確定額と分ける
- 月次で照合確定レポート・入金を確認
Kindle Unlimitedで読まれた本の印税は、通常の購入販売とは別に計算されます。著者が最初に確認したいのは「何冊借りられたか」よりも、KDPに記録された対象の既読ページ数と、その月に確定したロイヤリティです。本記事では電子書籍の読み放題収益について、制度の基本からレポートの照合までを説明します。
2026年10月24日に確認した公式ヘルプでは、読み放題関連の画面・記事に「Kindle+」という表記も使われています。ここでは検索でよく使われるKindle Unlimited(KU)という名称を併記し、電子書籍の既読KENPを中心に扱います。音声を含む収益が表示される場合は、対象フォーマットも確認してください。
購入の印税とKUの印税を分けて考える
通常の電子書籍販売は、購入された本に対して35%または70%のロイヤリティオプションに基づき計算されます。一方、KUはKDPセレクトの仕組みを通じた基金からの分配です。購入販売の料率を、KUの既読ページ数や本の価格にそのまま掛ける計算はできません。
| 数字 | 何を示すか | その数字だけでは分からないこと |
|---|---|---|
| 電子書籍の販売数量 | 購入販売に関する数量 | KUで何ページ読まれたか |
| 既読KENP | 対象となる正規化された既読ページ数 | 読者の人数や各人の読了率 |
| 推計ロイヤリティ | その時点の情報による見積もり | 最終的な受取額 |
| 支払いレポート | 支払対象期間と送金の状況 | 個々の読者の行動 |
本をKUの対象にするには、KDPセレクトへの登録状況も確認します。電子書籍の登録は90日間のプログラムで、電子版の独占配信条件があります。紙の本の販売とは条件が異なるため、他ストアや自社サイトで電子版を配布している場合は登録前に整理が必要です。出典:KDPセレクト、KDP Selectの独占配信について。
KENPは、端末に見えるページ数と同じではない
KENPはKindle Edition Normalized Pagesの略で、標準的な書式を用いたページの計測単位です。読者が端末の文字サイズを変えて表示ページ数が増えても、それがそのまま印税の増加になるわけではありません。商品ページのページ数、Word原稿のページ数、紙の本のページ数も、既読KENPとは区別します。
書籍全体の正規化されたページ数を指すKENPCと、一定期間に読まれたページ数を示す既読KENPも別の数字です。仮に本全体が200ページ相当で、期間中に既読KENPが1,000と表示されても、「5人が最後まで読んだ」とは断定できません。複数の読者による途中までの読書が合計されている可能性があるためです。
報酬の対象になるのは、読者が対象ページを初めて利用した分です。同じ読者の同じページの再読を、毎回新しい収益として数えることはできません。計測単位と対象行動の定義は、公式KENP解説と読み放題のロイヤリティを確認してください。
1ページの単価を固定しない理由
基金は毎月見直され、国・マーケットプレイスへの配分や、その月に利用されたページ数などによって結果が変わります。「1ページなら必ず何円」という将来も共通の固定単価はありません。世界全体の基金総額だけを見て、自分の本の日本での収益を計算することも適切ではありません。
金額の照合には、対象月・マーケットプレイス・通貨・取引の種類を揃えた数字を使います。確定後のKUロイヤリティを対象の既読KENPで割れば、その集計範囲の実績を振り返ることはできます。ただし、音声など別のフォーマット、調整分、異なる国の数値を混ぜると、比較する意味が変わります。既読ページ数がゼロの行では割り算もしません。
見積もりを作る場合は「先月と同じ条件を仮定した参考値」と明記し、確定額とは列を分けてください。過去の結果を次月の約束として使わず、事業計画では変動を見込んだ余裕を持たせます。公式のロイヤリティの見積りツールも、表示が推定であり、実際の獲得額や支払額と一致しない場合があると説明しています。
KDPレポートを確認する5つの手順
- 本と期間を揃える。KDPにログインしてレポートを開き、対象タイトル・ASIN、対象月、マーケットプレイスを確認します。同名の別版をまとめて見ていないかも確認します。
- 既読KENPを見る。日々の動向はダッシュボードや当月のレポートで確認します。購入数量と既読ページ数を別の列に記録し、取得した日時も残します。
- 推定額を区別する。ロイヤリティの見積りツールは途中経過の把握に使います。月末のスクリーンショットを、確定した会計資料と同じ扱いにしません。
- 月別のロイヤリティと照合する。翌月に更新された月別レポートをダウンロードし、既読KENPに対応するロイヤリティを確認します。表示項目が変わった場合は「KENP」「ロイヤリティ」「通貨」「取引の種類」を手掛かりにします。
- 支払い状況を確認する。支払いレポートの対象期間・通貨・送金状況を確認し、銀行への入金と対応付けます。見積もりからの差額を、すべて読書量の増減と考えないことが大切です。
画面名や配置は変更されることがあります。この手順の目的はボタンの位置を覚えることではなく、同じ対象の「利用」「確定」「支払い」を順に追うことです。最新の項目と更新頻度はKDPレポートの公式説明で確認できます。
数字が増えない・あとから変わるときの確認順
既読KENPは即時反映とは限りません。公式レポートの説明では、ダッシュボードへの反映に24〜48時間かかる場合があり、月間の数値は変動した後、通常は翌月15日ごろに確定します。ここでいう「ごろ」は目安であり、毎月同じ時刻に処理が終わるという意味ではありません。
| 状況 | 確認すること |
|---|---|
| 今日の既読ページがゼロ | 反映の時間差、対象日、タイトル、マーケットプレイスのフィルター |
| 推定額と確定額が違う | 基金確定前の推計か、同じ月・通貨・取引を比較しているか |
| 前月の収益と入金が違う | 支払対象月、為替、税の控除、支払い方法・状況 |
| 登録を終了した本に収益がある | 以前利用された本の初回読書分など、対象行動の時期 |
問い合わせが必要な場合は、ASIN、対象期間、マーケットプレイス、確認した画面名、ダウンロードしたレポートの該当行を整理すると説明しやすくなります。読者の個人情報や推測した読書行動を集める必要はありません。取得日時を残した元ファイルと、集計用に加工したファイルは分けて保存します。
集計表は「同じ条件の一行」で管理する
月次の管理表を作るなら、一行を「対象月・ASIN・マーケットプレイス・通貨・取引の種類」の組み合わせにします。ここへ既読KENP、対応する確定ロイヤリティ、参照したレポート名、取得日を加えると、あとから元の数字へ戻れます。書名だけをキーにすると、同名の別版や紙書籍を誤って合算するおそれがあります。
ファイルを更新するときは、前回分へ追加するのか、同じ期間を置き換えるのかを決めてください。同じ月のレポートを二度追加すると、ページ数と収益が二重計上されます。数値の変化を調べるために保存した途中経過は別の場所に置き、確定表には採用した版だけを入れます。複数の通貨を足す場合は換算の基準を明記し、元通貨の列も残しておきます。
確定額と入金日も別に管理する
一般的なKDPの支払いは、条件を満たしたロイヤリティについて、売り上げが報告された月の末日から約60日後が目安です。支払い方法による最低金額や銀行側の処理、登録情報などで受取時期は変わります。電子書籍の説明に、紙書籍の外部流通の支払い条件を混ぜないようにしてください。出典:支払いはいつ行われますか?。
管理表には、収益が発生した月、確定額を確認した日、支払い予定・実績、入金確認日を別々に設けると追いやすくなります。通貨を円に換算する際も、比較用の換算と実際の入金額を区別します。「売上」「ロイヤリティ」「制作費や広告費を引いた収支」を別の数字として扱うと、制作計画の判断にも使えます。
数字を読んだ後に、何を改善するか
既読ページが増えた理由を、レポートだけで一つに決めることはできません。告知、広告、季節需要、表紙や説明文の変更などを記録し、同じ期間で照合します。既読KENPを本全体のページ数で割った値は、量の換算には使えても、読了した人数や読了率ではありません。
ERESAはAmazonの商品をリサーチ・分析するためのツールです。自著のKDP実売部数、既読KENP、確定ロイヤリティを確定計測するものではありません。市場を知る情報と、自著の管理画面の実績を分けて使ってください。改善の進め方はKindle Unlimitedの運用改善ガイドで、購入販売の条件はKindle印税70%と35%の比較で詳しく整理しています。
参考資料・公式情報
制度・機能は更新されることがあります。利用時にはリンク先の最新条件をご確認ください。
- KDPセレクト
- KDP Select:独占配信の説明
- Kindle Edition Normalized Page(KENP)
- Kindle+でのロイヤリティ
- ロイヤリティの見積りツール
- KDPレポート
- 支払いはいつ行われますか?
情報確認日:2026-10-24


