KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 日本の70%オプションは、価格帯やKDPセレクトなどの条件を満たす必要があります。
- 印税は税込価格に料率を掛けるだけではなく、税と配信コストを考慮します。
- 料率の高さだけで決めず、購入数量・KU・配信方針を分けて比較します。
- 条件を確認価格帯・販売地域・Select
- 手取りを比較税・配信コストも考慮
- 価格を検証販売数と総額を確認
Kindle電子書籍のロイヤリティには35%と70%があります。ただし、70%を選べば、どの販売でも税込価格の7割が入るわけではありません。販売地域、価格、KDPセレクトへの登録、配信コストなどを確認する必要があります。この記事では日本向け電子書籍を中心に、設定条件と収益の比べ方を整理します。
2026年10月24日時点で、日本の70%オプションの希望小売価格帯は税込250〜1,650円です。公式KDPは2026年7月7日から価格帯を拡大しています。以前の記事や保存した手順書の上限をそのまま使わず、変更時は公式の電子書籍の希望小売価格の要件と管理画面を確認してください。紙書籍のロイヤリティは別の制度です。
70%と35%の違いを先に整理する

画面確認:2026-10-24 · KDP公式の価格要件を開く
| 項目 | 70%オプション | 35%オプション |
|---|---|---|
| 日本の希望小売価格 | 税込250〜1,650円 | 税込99〜20,000円 |
| 日本の読者への販売条件 | KDPセレクトへの登録などの要件がある | セレクトへの登録は必須ではない |
| 税の扱い | 税を除いた金額を基に計算 | 税を除いた金額を基に計算 |
| 配信コスト | 適用される場合は控除する | ロイヤリティ計算で控除しない |
| 販売地域 | 対象外地域の読者への販売は35%になる | 販売地域について70%特有の条件はない |
表は、日本の電子書籍を検討する際の要点です。著作権や販売権、プライスマッチなどの条件もあるため、価格帯だけで利用可否を判断しません。70%は購入者の所在地に関係する条件であり、著者が日本に住んでいるだけで、すべての取引に70%が適用されるわけでもありません。出典:日本向けの価格設定、電子書籍のロイヤリティ。
70%を選ぶ前に確認したいこと
価格・販売地域・権利の条件
対象マーケットプレイスで価格要件を満たし、70%オプションを選択しているか確認します。日本以外の価格帯も同じ数字とは限りません。別の国向けに価格を手動設定している場合、日本の価格だけ変えても、その設定が自動的に揃うとは限らない点に注意してください。
70%オプションは著作権保護された作品が対象です。パブリックドメインを主とする作品には別の条件があるため、原稿の権利を確認し、販売権の入力も実態に合わせます。表紙や本文の転載許可があることと、特定のロイヤリティ条件に適合することは同じ判断ではありません。公式のロイヤリティとパブリックドメインの説明を参照してください。
日本ではKDPセレクトの配信方針も検討する
日本の読者への販売で70%を適用するには、電子書籍をKDPセレクトに登録する必要があります。登録しただけで価格条件が不要になるわけではありません。電子版の独占配信条件があるため、他の電子書籍ストア、自社サイト、会員向け配布などの予定も確認します。
例えば、同じ電子版を複数のストアで届けることが事業上重要なら、Amazon内の料率だけで方針を決めない方がよいでしょう。一方、Amazonでの購入販売と読み放題を中心に検証したい場合は、セレクトの条件を確認したうえで登録を検討できます。紙書籍の流通は電子版とは分けて考えます。出典:KDP Selectの独占配信条件。
印税の計算では税と配信コストを分ける
日本向けの電子書籍の希望小売価格は税込みです。日本在住の読者への販売に10%の消費税が適用される場合、税込価格をP円とすると、税抜き額はP÷1.10で考えます。「税込価格から10%を引く」という計算とは異なります。実際の税・料率・端数処理は取引条件とKDPの計算に従います。
- 35%の基本形:税抜きの対象価格×0.35。
- 70%の基本形:(税抜きの対象価格−適用される配信コスト)×0.70。
通常の希望小売価格を前提とした基本式です。Amazonによるプライスマッチなどがある場合、計算の基になる価格が変わることがあります。数式と例外は電子書籍の価格設定・配信コストで確認できます。
税込1,100円で比較する計算例
以下は、日本の読者に税込1,100円で通常販売し、税抜き額が1,000円、70%の配信コストが2円と仮定した説明用の例です。70%の利用条件を満たし、プライスマッチ・返金等はないものとします。実績や収益の保証を示すものではありません。
| 選択 | 計算 | 1冊当たりの計算結果 |
|---|---|---|
| 35% | 1,000円×0.35 | 350円 |
| 70% | (1,000円−2円)×0.70 | 698円 |
同じ価格・同じ購入数量であれば、この例では70%の方が大きくなります。しかし、別の価格での販売数量やKUの利用、他ストアの収益まで同じになるとは限りません。料率の比較と、配信方針や価格戦略の比較は段階を分けてください。
画像が多い本は、実際の配信コストを確認する
配信コストに用いるサイズは、手元の編集ファイルの大きさをそのまま使うのではなく、Amazonが決定する電子書籍のファイルサイズが基になります。日本は原則1MB当たり1円ですが、公式条件では日本で販売される10MB以上の本は配信コストが控除されない例外があります。海外の単価や条件を日本へそのまま当てはめないでください。
コストのために読めないほど画像を圧縮したり、例外に合わせて不要な画像を追加したりする必要はありません。画質と読みやすさを保ち、アップロード後の価格設定画面に表示される見積もりを見て判断します。35%の方が得になるという一般論も、国と実際のコストを確認せずに使わないことが大切です。
価格は「1冊の印税」と「売れる数量」の両方で比べる
読者が払う価格には、内容の専門性、用途、類書との違い、どこまで課題を解決するかが関わります。ページ数だけで高くする、競合より常に安くする、といった一つの基準に絞る必要はありません。価格を説明できる内容と対象読者を先に整理します。
比較するときは「1冊当たりの見込ロイヤリティ×想定する販売数量」を複数の数量で計算し、どの条件で結果が逆転するかを見ます。例えば、条件を満たす70%の本で配信コストを2円と仮定すると、税込550円の基本計算は約349円、税込1,100円は698円です。低価格側でおよそ2倍の購入が必要になるという計算上の関係は分かりますが、実際に購入が2倍になることは意味しません。
数量が予測できないときは、無理に一つの数字を置かず、少ない場合・変わらない場合・増える場合を並べます。販売数量が少ない期間の偶然を価格の効果と断定しないよう、変更日、告知、広告、季節要因も記録してください。最終的には広告費や制作費を分けて差し引き、運用の負担まで含めて判断します。
価格変更は公開反映とレポートまで確認する
- 変更の目的を記録する。読者に届く価格の検討、販売とKUの比較など、今回何を知りたいかを書きます。
- 価格と料率を一緒に確認する。KDPの対象書籍の価格設定画面で、マーケットプレイス、希望小売価格、オプション、見込ロイヤリティを確認します。
- 他国の手動設定を確認する。価格を個別に入力した国がある場合は、各国で意図した条件になっているか確認します。
- ストア反映日を記録する。保存・申請した時点と、読者に表示された時点を区別します。価格が変わる前後の取引を一括で比較しないようにします。
- 同じ条件の期間で振り返る。購入数量、販売ロイヤリティ、KUロイヤリティ、費用を分けて確認し、継続するか再検討します。
設定方法とマーケットプレイスごとの扱いは公式の本の価格設定を参照してください。予約販売中は価格保証など別の影響もあるため、通常販売と同じ条件だと決めつけず、変更前に該当する説明を確認します。
よくある疑問
70%を選んだのに35%の取引があるのはなぜ?
対象外地域の読者への販売など、取引ごとの条件で料率が異なる場合があります。設定を選んだ画面だけでなく、その売り上げの地域や価格、適用条件を確認します。直ちに設定エラーと判断する前に、公式のロイヤリティ説明と該当レポートを照合してください。
35%を選ぶとKUの報酬も35%になる?
購入販売の料率と、読み放題の基金からの分配は別です。KUについてはセレクトの登録状態と対象の既読ページ数などを確認します。既読ページに販売価格の35%や70%を掛ける計算はしません。仕組みと確認方法はKindle Unlimitedの印税ガイドにまとめています。
ERESAで最適価格や正確な印税が分かる?
ERESAはAmazonのリサーチ・分析に使うツールです。自著のKDP実売部数、既読ページ数、確定ロイヤリティを確定計測したり、価格変更後の収益を保証したりするものではありません。類書の観察で仮説を作り、KDPの実績で検証する役割分担が適しています。KUも含めた運用の進め方は、Kindle Unlimitedの収益改善手順を参照してください。
参考資料・公式情報
制度・機能は更新されることがあります。利用時にはリンク先の最新条件をご確認ください。
情報確認日:2026-10-24


